「なんだかいつも急いでる…」「せかせかして落ち着けない…」 そんな感覚、感じたことはありませんか?
それ、“ハリーアップ症候群(Hurry Sickness)”かもしれません。
実はこれ、ただの“せっかち”ではなく、ストレス社会を生きる私たちに深く関係する心と体の状態なんです。
今回は、そんなハリーアップ症候群について、
- どういう症状があるのか
- なぜそうなってしまうのか
- どんな事故や失敗につながるのか
- そして今日からできる対策 をわかりやすく解説していきます。
あなたや、あなたの身近な人にも当てはまるかもしれません。ぜひチェックしてみてください!
ハリーアップ症候群とは?

ハリーアップ症候群(Hurry Sickness)とは、 **「常に急いでいないと落ち着かない」**という心理状態が慢性化したものです。
正式な医学的な病名ではありませんが、心理学やストレス研究の分野では広く使われている言葉です。
主な特徴
- 常に焦っている感覚:信号待ちやエレベーターが我慢できない
- 効率重視でマルチタスク傾向:複数作業をこなすが、質が落ちる
- 慢性的な疲労やイライラ:気づかぬうちにストレスが蓄積
身近な例
- 通勤中、無意識にエスカレーターを歩いている
- レジの列で、早く進みそうな列に並び替えてしまう
- 待ち時間にスマホを触らずにいられない
心当たり、ありませんか?
起源と広まり
この言葉が登場したのは1970年代。 心臓専門医のフリードマン博士とローゼンマン博士が提唱した「タイプA行動パターン」からきています。
『Type A Behavior and Your Heart』(1974年)
この著書の中で、「急ぎがちな行動」が心臓疾患リスクと関連することが示され、 「Hurry Sickness(ハリーアップ症候群)」という概念が登場しました。
その後、デジタル化やグローバル化が進む中で、私たちはより「時間に追われる」社会を生きるようになり、 この症候群はより身近な存在になっています。
なぜハリーアップ症候群になるの?
社会的な要因
- 時間に追われる毎日:仕事・家事・育児で常にスケジュールがパンパン
- テクノロジーの進化:スマホで即レス、SNSでの情報過多
- 職場の効率重視文化:スピード感・締切・成果主義
心理的な要因
- 完璧主義・競争心:全部こなさないと不安になる
- 罪悪感:「ゆっくり=怠けてる」と感じてしまう
- 他人との比較:SNSで“他人のスピード”に影響される
実際に起きた“ハリーアップ”が原因の事故
焦りや確認不足は、時に大きな事故につながります。
航空業界での例
- エアフロリダ90便事故(1982年):スケジュールの遅れから手順省略
- トランスアジア航空235便(2015年):焦りによる操縦ミス
医療業界での例
- 誤投薬・患者取り違え:忙しさゆえの確認不足が原因
日常生活でも…
- 信号無視やスピード違反による交通事故
- 焦って包丁で指を切ったり、熱い鍋で火傷したり
どれも「急いでいた」「焦っていた」という共通点があります。
ハリーアップ症候群を防ぐためにできること

今日からできる簡単な対策
- 朝に5分だけ深呼吸:ゆっくり呼吸する時間を持つ
- スケジュールに余白をつくる:予定を詰め込みすぎない
- 通知オフ・スマホから距離を置く:意識的に“静かな時間”をつくる
習慣にできる工夫
- マインドフルネス瞑想:今この瞬間に意識を向ける
- タスクの優先順位付け:全部やらなくてOK!
- 意識して“休む”時間を確保
まとめ:焦らず生きるために
ハリーアップ症候群は、誰もが陥りやすい「現代病」かもしれません。
でも、少しの意識と行動で変えられる部分もたくさんあります。
大切なのは「急がないことを悪いと思わないこと」。
自分を追い詰めすぎず、ちょっと立ち止まってみる。 それが心にも体にも大きな“余裕”を生んでくれるはずです。
あなたの暮らしの中にも、少しだけ“ゆとり”を取り戻してみませんか?
この記事が、誰かの心に余白を作るきっかけになればうれしいです。
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