全国に店舗を展開している大手脱毛サロン「ミュゼプラチナム」。
一時は「100円脱毛」など、目を引くキャンペーンで一世を風靡し、手軽さと信頼感から多くの女性に選ばれてきました。
そんなミュゼですが、ここ数年はちょっと気になるニュースが続いています。
「あの大手サロンが経営危機?」「運営会社が変わったらしい」など、SNSやネットでも不安の声がちらほら。
実際、広告費の未払い、運営母体の変更、さらには親会社だった船井電機の破産と、さまざまなトラブルが起きてきました。
この記事では、そうした背景を踏まえつつ、2025年現在のミュゼがどうなっているのかをわかりやすく解説します。
新たに登場した運営会社「MPH株式会社」の方針や、店舗・サービスの現状、そしてこれからミュゼを使おうとしている方にとって気になるチェックポイントまで、しっかり網羅しています。
「今のミュゼって大丈夫?」「契約しても平気?」と気になっている方にこそ、読んでほしい内容です
1. 運営会社の変遷と過去の経営トラブル
ミュゼプラチナムは2003年に「通いやすい、手頃な価格の脱毛サロン」として誕生し、特にキャンペーン価格と来店しやすさで業界トップクラスの人気を誇っていました。
ピーク時には全国に約210店舗を展開しており、国内最大級の脱毛サロンチェーンとして名を馳せていました。
ところが2015年、運営会社であった「ジンコーポレーション」が広告代理店への支払いを滞納し、経営破綻。
この出来事を皮切りに、ミュゼは複数の企業によって運営が引き継がれるも、その都度経営体制やサービス内容に不安が生じ、混乱が続くことになります。
経営母体の変遷
年 | 運営会社 | 主な出来事 |
---|---|---|
2003 | ジンコーポレーション | 創業、急成長 |
2015 | 新運営会社(非公開) | 広告費未払い・経営破綻 |
2023 | 船井電機 | 買収後の経営悪化・破産へ |
2024 | MPH株式会社 | 新会社により再出発 |
また、SNSを通じて「予約が取れない」「突然の店舗閉鎖」などの声も目立つようになり、利用者の間に不安が広がりました。
特に2023年から2024年にかけては、従業員への給与未払いが発生したことで内部からも不信感が広がり、経営トラブルの深刻さが浮き彫りとなりました。
2024年11月以降には給与の支払いがたびたび遅れ、これに対して一部従業員が経営陣へ抗議の意思を示すようになり、店舗の運営にも影響が出るようになりました。
最終的に2025年3月22日、全店舗が一時休業となる事態に発展し、公式サイトでもその旨が発表されるなど、経営の混乱が表面化しました。
この一時休業は、単なる一時的な対応ではなく、「経営体制の変更」や「財務状況の改善」を目的とした再構築の一環として行われたものであり、経営の立て直しに向けた大きな転換点となりました。
2. 船井電機の買収と破産──なぜ失敗したのか?
2023年、家電メーカーとして知られる船井電機がミュゼプラチナムを買収しました。
これは、美容機器分野への参入と、店舗運営によるサービス展開を掛け合わせた「家電+美容」のビジネスモデルを確立する狙いがあったためです。
買収当時、船井電機側はミュゼの集客力やブランド力を高く評価しており、成長戦略の中核と位置づけていました。
表向きには期待感が高まっていましたが、実際にはミュゼが抱えていた多額の広告費未払い、人件費の圧迫、店舗の家賃滞納といった経営リスクについての精査が不十分でした。
その結果、船井電機は買収後すぐに資金繰りの悪化に直面しました。
特に、ミュゼが抱えていた多額の広告費未払い、店舗の家賃滞納、過剰な人件費といった“ずさんな経営体質”が船井電機にとって大きな負担となり、ミュゼ事業の運営コストが足かせとなって業績は急速に悪化していきます。
これらの経営課題が直接的な要因となり、2024年10月には、ついに船井電機は東京地裁に破産を申請。
ミュゼの問題を引き継いだことが引き金となったことは明らかで、グループ全体にも大きな影響を及ぼす事態となりました。
これにより、「ミュゼもこのまま消えるのでは?」といった憶測や不安の声が一気に広がりましたが、事業自体は新たに設立されたMPH株式会社によって引き継がれ、サービス提供は継続される形となりました。
3. MPH株式会社が運営を引き継ぐ──“その後”の動きとは?
船井電機の破綻後、2024年9月に新たに設立された「MPH株式会社」がミュゼプラチナムの事業を正式に引き継ぎました。
当初、代表に就任したのは美容機器や化粧品開発などを手掛ける「レナード株式会社」の代表取締役であり、著書『幸せを生み出す感動経営』でも知られる実業家・三原孔明氏でした。
彼は、美容業界での豊富な経験と「感動を与える経営」を掲げる理念から、経営が揺らいでいたミュゼプラチナムを自らの手で立て直すという強い意志を持って再建に取り組みました。
特に、自身のSNSやインタビューでは「社会的責任」や「スタッフと顧客を守る」という想いが語られており、経営再建に対する熱意が感じられます。
彼は「過去の経営課題を真摯に見直し、再建に全力を尽くす」と意気込みを語っていましたが、2025年2月の株主総会で解任されています。
その後、新たに阿部博氏が代表取締役に就任し、現在もMPH株式会社がミュゼプラチナムの運営を継続しています。
MPH株式会社は現時点でミュゼプラチナムに特化した運営を行っており、他の事業展開は確認されていません。
つまり、ミュゼの経営再建がそのまま会社の命運を握っている状況です。
なお、事業承継直後の2024年11月には、給与の遅配や家賃滞納、スタッフの急な退職といった問題が表面化し、店舗運営にも大きな影響を与えました。
これを受けてMPHは早急に資金調達を行い、12月中旬までに未払い分の清算を完了したと発表。
その後、SNSなどを通じて「給与は正常に戻った」との報告も見られ、現在は運営体制の立て直しが進行している状況です。
4. サロン展開の再構築と“今”のサービス内容
2025年時点で、ミュゼは全国に166店舗を展開していますが、その数は今後150前後まで調整される見通しです。
とくに首都圏や都市部においては出店過多となっており、採算が取りにくい店舗の統合や撤退が進められています。
すでに閉店が確定している店舗も複数あり、公式サイトなどで順次情報が更新されています。店舗の移転や統合も含め、今後も営業体制に変化がある可能性があるため、通っている店舗の状況を随時確認することが重要です。
また、これまで脱毛サービス中心だったメニュー構成に加え、以下のような新サービスが積極的に導入されています:
- フェイシャルケア(毛穴洗浄、美白)
- スキンケアアイテムの販売
- 美容サプリやホームケア商品の取り扱い
こうしたサービス多角化により、ミュゼは「脱毛サロン」から「トータルビューティーサロン」への進化を目指しています。
さらに、ユーザー目線に立った予約アプリの改善や、柔軟なキャンセル対応など、サービス品質の向上にも努めています。
5. 利用者の不安とよくある質問(Q&A)
Q. ミュゼを途中で解約した場合、返金はされますか?
A. 原則として、契約時に定められている返金ポリシーに基づいて対応されます。クーリングオフ期間内であれば全額返金されますが、それ以降は残り回数分などに応じた返金となることが一般的です。最近の一時休業や経営変更により、対応が通常より遅れる可能性もあるため、契約前に最新の返金規定を確認し、必要に応じてカスタマーサポートへ問い合わせるのが安心です。
Q. ミュゼがまた倒産したら契約はどうなる?
A. 現在の運営元MPH株式会社は過去の未払い清算を完了しており、現時点での倒産リスクは低いと考えられます。ただし、長期契約は慎重に検討し、分割払いなど柔軟な支払い方法を選ぶことが推奨されます。
Q. 今のミュゼは安心して通える?
A. 経営体制が一新され、トラブル対応も早期に行われている点は評価できます。ただし、今後の安定性を見極めるためにも契約前に最新情報のチェックが重要です。
Q. 他社との違いは?
A. ミュゼは知名度と店舗数、キャンペーンの豊富さで依然として業界トップクラス。医療脱毛や個人経営のサロンと比べた際の「価格」「雰囲気」「勧誘の少なさ」もメリットとして挙げられます。
6. 安心して利用するためのポイントまとめ
- 長期契約を避け、まずは短期プランで様子を見る
→ いきなり大きな金額を支払うのではなく、自分に合うか確かめるステップが安心です。 - 支払い方法(ローン・分割・一括)の契約内容をよく確認する
→ トラブルを防ぐには、契約書のチェックが最重要です。 - キャンペーンや無料カウンセリングで事前に雰囲気を確認する
→ 実際に足を運んで、スタッフや店舗の雰囲気を見るのがおすすめです。 - 返金ポリシー、途中解約の条件を確認する
→ 経営が不安定な時期こそ、「やめる時」の条件を要チェック。 - 口コミやSNS、掲示板などでリアルな声を調べる
→ 最新の評判や、実際に通っている人の声はとても参考になります。 - 店舗の対応やカスタマーサービスの質をチェックする
→ 困った時に頼れるかどうかは、安心の大事なポイントです。
まとめ:今後も“その後”を見守る姿勢を
ミュゼプラチナムは、数々の経営トラブルを経て、現在は新たな運営会社のもとで再建を進めています。
従来の価格重視戦略から、「質」「信頼性」「顧客満足度」へとシフトしつつあるのが現在の大きな変化です。
とはいえ、完全な安心を得るにはもう少し時間がかかる可能性も。
利用者一人ひとりが情報に敏感になり、無理のない契約・無理のない通い方を選ぶことが今後ますます重要になります。
ミュゼに限らず、エステ・美容業界全体が変化の時代にある中で、信頼できる情報源から定期的に最新情報を得る姿勢が、後悔しない選択につながるでしょう。
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