ニュースや記事で名前を見かけるようになった「福間莞爾」さん。
読み方が難しく、「誰?」「本名なの?」「どんな経歴の人?」と気になって検索する人も多いようです。
本記事では、福間莞爾さんの読み方や本名、これまでの経歴、JA全中(全国農業協同組合中央会)でのキャリア、そして現在の活動についてわかりやすくまとめています。
まずは、福間莞爾さんがどんな人物なのか、一緒に見ていきましょう。
福間莞爾って誰?読み方は?本名なの?

福間莞爾の基本プロフィール、読み方は?
氏名 :福間 莞爾(ふくま かんじ)
生年月日:1943年、台湾・台北市生まれ(父親が総督府勤務のため)
職業 :日本の農協(全国農業協同組合中央会=JA全中)で幹部を務めた
福間莞爾(ふくま かんじ)は本名?なぜ台湾生まれ?
福間莞爾(ふくま かんじ)という名前は本名である可能性が非常に高いです。
福間莞爾(ふくま かんじ)さんは台湾で生まれていますが、これは父親が総督府勤務のため、台湾に在任中に莞爾さんが生まれたからです。
総督府勤務とは現代で言うと中央官庁(霞が関)勤務の国家公務員 のような立場にあたります。
総督府には、教育・農業・土木・警察・財務など、さまざまな部署があり、
日本本土から派遣された高等文官(国家公務員)や技術官僚、教師、医師などが多数勤務していました。
台湾総督府(たいわんそうとくふ)は
1895年〜1945年のあいだ、日本が台湾を統治していた時代に設置されていた日本の政府機関(植民地行政機関)です。
「莞爾」という漢字の意味と由来
- 「莞」… 植物の名(カンガヤ)や、「にこやか」「おだやか」という意味を持つ字。
- 「爾」… 「あなた」「しかり」など古語的な意味をもつ字で、名前に用いられることが多い。
- 「莞爾」と2文字で使うと「にっこり笑うさま」や「おだやかに微笑む様子」を意味します
福間莞爾(ふくま かんじ)の経歴は?
1943年、台湾・台北市で生まれた福間莞爾(ふくま かんじ)さん
当時の台湾は日本統治下にあり、父親は台湾総督府に勤務していた日本人官僚でした
終戦後に日本へ引き揚げ、島根県で育ちます
📘 経歴タイムライン
| 年代 | 出来事・役職 |
|---|---|
| 1943年 | 台湾・台北市にて出生(当時は日本統治下) |
| ~1960年代初頭 | 島根県立島根農科大学で農業経済を専攻。在学中に国家公務員上級職(農経甲種)合格 |
| 1965年 | 全国農業協同組合中央会(JA全中)に入会 |
| 1970〜1990年代 | 畜産園芸対策部長、組織部長、教育部長、地域協同対策部長など主要ポストを歴任 |
| 1996年 | JA全中 常務理事に就任。組織運営や政策立案の中心的役割を担う |
| 2002年 | JA全中を退任し、協同組合経営研究所 理事長に就任 |
| 2006年〜現在 | 新世紀JA研究会 常任幹事として活動。農協制度改革や地域協同の再構築を提言 |
| 現在 | 著述・講演活動を中心に、JAグループや地域協同のあり方を発信中 |
福間莞爾さんは、JA全中の中枢に長年携わった後、退任後は「改革提言者」として活躍するようになります
特に『ダイヤモンド・オンライン』などのインタビューでは、
「組織の改革には、内側にいた者の反省と再設計が必要だ」
という言葉を残しており、旧体制からの脱却を訴える姿勢が印象的です。
福間莞爾の主な著書
福間莞爾(ふくま かんじ)さんは、全国農業協同組合中央会(JA全中)での長年の経験をもとに、協同組合の改革や農業経済の再構築をテーマとした著書を多数執筆しています
多くの作品ではペンネーム「宍道太郎(しんじ たろう)」を使用しており、国立国会図書館の典拠データにも「宍道太郎=福間莞爾」として登録されています
| 書名 | 著者名義 | 出版社/刊行年 | 内容概要 |
|---|---|---|---|
| 覚醒 シン・JA ― 農協中央会制度65年の教訓 ― | 宍道太郎(福間莞爾) | 農山漁村文化協会(農文協)/2024年 | JA全中(全国農協中央会)の制度を内部から分析し、過去65年の教訓をもとに“新しいJA像”を提言。 |
| 創造か 破壊か ― JA准組合員問題の衝撃と対策 ― | 宍道太郎 | 農協経営研究会/2021年 | 農協の準組合員制度がもたらす課題に焦点を当て、組織再構築の方向性を示す。 |
| JAグループ改革の本質 | 宍道太郎 | 農業協同組合研究会/2018年 | JA全中の構造問題と地方組合の自立化をテーマに、現場からの改革提言を行う。 |
| 協同組合経営論講座(寄稿) | 宍道太郎 | 協同組合経営研究所 編 | 協同組合の理念、経営理論、組織ガバナンスについての理論的考察を寄稿。 |
| 協同組合運動の課題と展望 | 宍道太郎 | 日本協同組合学会/2000年代 | 協同組合運動の現状と未来への課題を分析。理論派研究者としての側面が表れる一冊。 |
福間さんの著作には一貫して、
「組織の改革は、内側を知る者の反省と行動から始まる」
という理念を持っています
JA全中の常務理事として組織運営の中枢を担ってきた経験から、机上の理論だけでなく“現場で見てきた課題”を具体的に指摘するのが特徴です。
まとめ
福間莞爾(ふくま かんじ)さんは、1943年に台湾・台北市で生まれた日本人で、戦後は島根県で教育を受け、JA全中(全国農業協同組合中央会)で長年にわたり要職を務めた人物です。
常務理事として農協の中枢を担い、退任後は協同組合経営研究所理事長として活動。
ペンネーム「宍道太郎」名義で著書も執筆し、農協改革や地域協同の未来について提言を続けています。
穏やかな意味をもつ名前「莞爾(かんじ)」のように、福間さんの歩みは常に冷静な分析と誠実な改革姿勢が特徴的です。

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